関西急行電鉄

関西急行電鉄

“緑の弾丸”と呼ばれ親しまれた関西急行電鉄1型(モハ1形)は、桑名~名古屋間が開通した昭和13年に登場しました。 片側2扉の均整のとれた17メートル車で、扉間の座席は転換クロスシートを使用した当時としてはモダンな車両で、この形式は、その後名古屋線用に製造した車両のスタンダードとなりました。 その後、昭和22年には、大阪・名古屋間に近鉄が初めて運行した特急車両としてデビューを果たした、華麗な生き様を見せた車両です。

関西急行電鉄1型(モハ1形)6301 車両の特徴

  • 関西急行電鉄 昭和32年 モ6307+ク6510
    昭和32年 モ6307+ク6510
  • 前述した転換クロスシートをはじめ、今では当たり前の仕様となっていますが、両側に乗務員室扉が付き、貫通幌やアンチクライマーなどのアクセサリー類も装備していました。 さらに、当時の車両では珍しい大きなヘッドライトやパンタグラフがなお一層目を引きました。 さらに、ブレーキ用の空気圧縮機の音、さらに走行中のモーター音も独特の音色で、随所に個性があふれていました。
    当時、名古屋線で主に運用していたアズキ色主体の伊勢電気鉄道の車両にあって、颯爽と緑色の車両で登場したこの車両は当時斬新で、すぐさま“緑の弾丸”というニックネームが付けられました。

関西急行電鉄1型(モハ1形)6301 車両のおいたち

  • 関西急行電鉄 昭和32年 モ6307+ク6510
    昭和32年 モ6307+ク6510
  • 関急1型として登場した後、関西急行電鉄が参宮急行電鉄に合併された翌年の昭和16年に6301系に改称しました。 そして、戦後間もない昭和22年、近鉄が大阪・名古屋間(中川乗り換え)に初めて有料特急を運行した際、名古屋線用の特急車両として、6301系が伊勢電気鉄道の6471型と共にその任を果たすことになりました。 まさに華麗なるデビューを飾った車両でした。
    その後、昭和31年にロングシート化等の改造を施し、急行系統の運用車両としました。 昭和34年には名古屋線の広軌化に伴い車両も標準軌化しました。 しかし、車両の高性能化に伴い、昭和47年には再び狭軌化するとともに制御車に改造し、ク6300形として活躍の場を養老線(現養老鉄道)に移しました。 さらに翌年には、南大阪線の6200系のク6300型に車両番号を譲り、ク5300形に改称し、昭和58年まで運用しました。

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