けいはんな線

けいはんな線
長田~学研奈良登美ヶ丘
18.8キロ 750V 標準軌
  • 1986(昭和61)年9月30日 新石切駅での祝賀列車の出発式
    1986(昭和61)年9月30日
    新石切駅での祝賀列車の出発式
  • けいはんな線は、長田~学研奈良登美ヶ丘間を結ぶ近鉄で一番新しい路線です。 けいはんな線のうち、長田~生駒間は1986(昭和61)年10月1日に東大阪線として開業しており、生駒~学研奈良登美ヶ丘間は2006(平成18)年3月27日に開業しました。 また、生駒~学研奈良登美ヶ丘間の開業と同時に、東大阪線をけいはんな線に改め、現在に至っています。

けいはんな線は、大阪市営地下鉄(当時)中央線との相互直通運転により、関西文化学術研究都市の玄関口の学研奈良登美ヶ丘駅から大阪ベイエリアのコスモスクエア駅までを結んでおり、2005(平成17)年には大阪市営地下鉄(当時)中央線との路線の統一愛称が「ゆめはんな」と名づけられました。 研究および開発の拠点である学研都市、ものづくりの拠点である東大阪、ビジネスの中心地である本町、さらに大阪ベイエリアを結び、関西における経済、学術、文化など全ての面で交流を深めるためのアクセス路線として期待されています。

けいはんな線のうち、長田~生駒間は1986(昭和61)年10月1日の開通と同時に大阪市営地下鉄(当時)中央線と相互直通運転を開始。 大阪のビジネスセンター・本町を経て生駒~大阪港間25.7キロを結ぶ路線としてスタートしました。 この間市内のすべての南北鉄道線に接続しています。
その後1997(平成9)年12月18日、南港・港区連絡線が開業されたのに伴い、相互直通運転区間が生駒~コスモスクエア間28.1キロに延伸されました。

長田~生駒間の建設工事は、1979(昭和54)年3月着工。
延長4.737メートルの生駒トンネルの掘削をはじめ、7年余にわたる工事で完成。 生駒口は旧奈良線トンネル入口を使用、生駒~新石切間はトンネル、新石切~吉田間は高架構造、荒本周辺は堀割構造、長田は地下構造と、異なった構造となっています。
工事完成までの間は100%子会社の東大阪生駒電鉄が事業主体となり、後に近鉄に合併しました。

完成した生駒トンネル
完成した生駒トンネル
吉田駅。上部の阪神高速道路と一体構造になった全国でも珍しい高架駅
吉田駅。上部の阪神高速道路と一体
構造になった全国でも珍しい高架駅

また、生駒~学研奈良登美ヶ丘間は平成元年の運輸政策審議会において、関西文化学術研究都市から大阪方面への鉄道でのアクセス路線を早急に整備することが必要であると答申されました。 これを受けて、生駒~登美ヶ丘間の新線建設に向けて動き出したのです。 平成10年には、奈良県、生駒市、奈良市、近鉄などが出資して奈良生駒高速鉄道㈱を設立し、奈良生駒高速鉄道(株)が鉄道施設を建設・保有する第3種鉄道事業者となり、近鉄が奈良生駒高速鉄道(株)から施設を賃借して運営する第2種鉄道事業者として運営する、いわゆる上下分離方式を採用しました。
工事は平成12年10月に登美ヶ丘車庫部の造成から開始し、その後、東生駒(3,625メートル)、白庭(127メートル)、北大和(1,100メートル)という3つのトンネルを貫通し、平成18年3月27日、着工から約5年の歳月を要したビッグプロジェクトが実を結び、開業という記念すべき日を迎えました。

けいはんな線の軌間は1435ミリの標準軌、大阪市営地下鉄(当時)と相互乗り入れをすることから集電方式は第3軌条方式となっています。 また、最高運転速度を従来の東大阪線での70km/hから95km/hに引き上げました。 これはサードレール方式を採用している鉄道の中では国内最速となります。

学研奈良登美ヶ丘駅建設工事
学研奈良登美ヶ丘駅建設工事
2006(平成18)年3月26日開通記念式典 学研奈良登美ヶ丘駅での発車式
2006(平成18)年3月26日開通記念式典 学研奈良登美ヶ丘駅での発車式