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鮮魚列車

鮮魚列車

近畿日本鉄道では、三重県の漁港へ早朝に揚がった海の幸を奈良や大阪へ運ぶ行商人のために、宇治山田→上本 町に鮮魚専用列車(以下、鮮魚列車)を運転しています。この列車は、日曜・祝日を除く毎朝宇治山田駅を出発し主要駅(伊勢市・松阪・伊勢中川・榊原温泉口・ 伊賀神戸・桔梗が丘・名張・榛原・桜井・大和八木・大和高田・鶴橋)に停車して、上本町に到着します。なお、下りは上本町→松阪間で、上り下りとほぼ登場当時のダイヤで今も走り続けています。

おいたち

この鮮魚列車は「伊勢志摩魚行商組合連合会」の貸切車両として昭和38年9月21日から運行を開始したものです。その当時は荷物電車の車両を使用したり、1400系、2200系などの一般営業車両を使用していましたが、「鮮魚列車」としてモワ10形(旧1400形)・クワ50形(旧1500形)・モ600形(旧1420形・旧特急用2250形)・ク500形(旧3120形・旧奈良電1320形)を改造したのが鮮魚列車のはじまりです。

鮮魚列車
元奈良電1321形を先頭に
長駆、鶴橋駅へ到着。
昭和62年

鮮魚列車
早朝、伊勢湾の幸を積んで
出発を待つモワ600形(事故
焼失したモ2204の機器を流用
した1421を改番)松阪駅。
昭和60年

鮮魚列車
戦前の名車、2227形2242も
鮮魚列車に。布施駅。昭和41年

鮮魚列車
3113も2227形の一旗。今里駅。
昭和47年

車両の変遷

鮮魚列車
クワ51は、大阪線で中距離準急
などに活躍した元ク1500形。
今里駅。昭和57年

その後は前述の形式車を混用した通常2両編成で運用していましたが、いずれも老朽化し平成元年3月に長距離運用のため利用者の要望に応えて 1480系3両(モ1482-モ1481-ク1591)を冷房とトイレ付き改造し、2代目鮮魚列車としておよそ10年にわたり活躍してきました。この車両のうち、McMは昭和36年に、またTcは昭和41年にそれぞれ大阪線の通勤車として登場したもので、McMユニット、8M制御の三菱製抵抗制御装置、発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキを装備、抑速発電ブレーキを備えています。なお検査・故障などの際には応急的に2600系を使用したことがあります。

鮮魚列車
大阪線の元モ1400形がルーツの
モワ13形。俊徳道駅。昭和56年

この車両も老朽化がすすみ平成13年11月17日をもって第一線から退き、11月19日からは2680系3両(モ2684-モ2683-ク 2782)に置き換えて3代目鮮魚列車として運転を開始し現在に至っています。この車両は昭和46年に急行用として登場した20m4扉固定クロス車で、初代ビスタカー10000系の廃車後の電動機・制御器などを流用しています。前記1480系と同性能のMcMTcの3両編成で名古屋線所属でしたが、のちに大阪線所属となりました。登場時から冷房は取り付けられており、その後シートもロング化しました。また、この編成からヘッドマークはなく、前後に方向幕で「鮮魚」と示されています。外部塗装は一般車両と区分するためマルーンの車体の正面に2本の太・細白帯が入っています。

鮮魚列車
2253は大阪線で活躍した元特急
専用車。のち改番されて603となる。
俊徳道駅。昭和57年

現在

鮮魚列車
最後のつとめに走る2代目鮮魚列車。
俊徳道駅。平成13年

鮮魚列車は、最盛期100人を越える利用者がありましたが、自動車利用の増加もあって最近では半数以下に減ってしまいましたが、地域の足として今後も存続して運転することになっています。なお現在、関西の私鉄の中で鮮魚列車を運転しているのは近鉄だけです。

鮮魚列車
初日の新車両による鮮魚列車3代目。
俊徳道駅。平成13年

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