5.安全への取り組み(列車運行)
ATS(自動列車停止装置)・ATC(自動列車制御装置)
運転保安度の向上を図るため、当社独自のATSをけいはんな線を除く全線に、ATCを大阪市高速電気軌道との相互直通運転に合わせ、けいはんな線に使用しています。
ATSとは、軌道に設置した地上装置から列車に速度制限情報を送信し、制限速度を超えた場合に自動的に列車を停止させる装置です。
信号現示と制限速度の関係は下図のとおりです。

ATCとは、レールに制限速度の情報を流して列車で受け、速度を超えた場合に自動的に列車を減速、もしくは停止させる装置です。
曲線等に対するトランスポンダ式ATS
曲線および分岐等の速度制限区間に進入しようとする列車が制限速度を超えると、直ちに非常制動が自動的に動作し、速度制限区間に進入する時には、所定の速度以下に列車を減速させます。
曲線区間における速度制限の例を下図に示します。

列車運行管理システム
運転指令業務の近代化と信号扱いの自動化を目的とした列車運行管理システムを導入し、現在は、ほとんどの線区で運用しています。このシステムでは、列車運行状況の監視・ダイヤ管理・運転整理のほか、各駅の進路制御・案内制御などを行っています。
大阪総合指令室(大阪統括部)
列車運行管理、車両運用、運行情報配信、電力管理、夜間作業管理等に関する大阪地区各指令所をワンフロアに集約した大阪総合指令室を設けています。また、災害時等に設置する対策本部と同フロアに配置することで、危機管理対応能力の向上を図っています。
2020年6月、南大阪線系の運転指令を大阪総合指令室内に移転・統合することにより、大阪地区の各指令業務を集中化し、指令間の連携強化、保安度およびお客さまのサービス向上を図りました。


名古屋統括部の各指令
中部地区の路線の列車運行管理、車両運用、電力管理、夜間作業管理等を行っています。



運転士支援システム
GPS技術を利用して列車の位置特定を行い、その位置情報により、音声や発光表示等の方法で運転士に対し運転支援(列車種別確認、編成両数確認、停止位置確認等の注意喚起)を行うシステムを導入しています。また、津波浸水区域内や徐行区間走行に対する注意喚起を行うほか、通信機能を利用して事故現場等の画像を伝送する機能もあります。
2018年10月、当社は、運転士支援システムの活用と展開についての功績が評価され、鉄道事業者として初めて「国土交通大臣表彰」を受賞しました。

(列車種別確認・編成両数確認)

(徐行速度確認)